Webディレクターの現場の声

私がWebディレクターになって学んだこと、その他心に映りゆく由無し事 …などを、そこはかとなく書き綴ります。

リーダーになる人に知っておいてほしいことⅡ

(2013.11.11)

記念すべき1回目の書評。

どの本にしようか迷いましたが、ブログを開設するきっかけにもなったこの本にします。

 

 

述者:松下幸之助  編集:松下政経塾  発行所:株式会社PHP研究所

2010年7月2日第1版第1刷発行

 

本書の概要

経営の神様・松下幸之助さんの松下政経塾でのスピーチをせっせと文字におこした本です(口述以外の塾報に掲載された文章等も少しあります)。

 

  1. 学び方
  2. 考え方
  3. 働き方
  4. 生き方

の4つのテーマについて計47の含蓄に富んだお言葉が掲載されています。

…時代的にカセットテープからだと思うのですが、劣化していなかったのでしょうか。文字おこしをしてくださった方、ご苦労様です。

松下氏の思うリーダーになる人に知っておいてほしいこと(まさにタイトルまま)が綴られています。

昨今流行りのコーチングやNLPのようなスキルの技術書ではなく、リーダーたる者どうあるべきかを説いた精神論的な本です。

松下政経塾という場で語られた言葉故に、将来国を背負って立つ人へ向けられたメッセージが多いのですが、組織規模の大小に関わらずリーダーを目指す人に須く役に立つ本です。

 

個人的な感想

流行り廃りのある技術ではなく、精神論的な内容のため、私が生まれる前の1980年代前半のスピーチが中心にもかかわらず、2013年の現代でも、ものぐさな私にこのブログを開設させるだけの力強さを秘めていたのでしょう。

 

個人的に本書からは松下さん自身は下から持ち上げるボトムアップ型のリーダーという印象を受けました。

しかし、本書に書かれている内容は人の上に立つ、先頭に立ってみんなを引っ張っていくトップダウン型のリーダーに向けた言葉のように感じました。

 

Webディレクターから視た本書

経営者や政治家と比べれば小規模ですが、Webディレクターも一応人をまとめる仕事ということで、そんな私が本書の中でも特に印象に残った2点を紹介します。

今は昔に比べ、広告の技術もうまくなったけど、社会情勢に甘える広告も多いな。その場だけ面白いけど、商品のことはようわからんような広告は、十分とはいえん。内容が知らず識らずのうちに、その人のためになるような広告、社会や人心を健全にする広告はええな。
(P72 商品と広告宣伝より引用)

 心の底から同意、また感銘を受けました。

なぜ、30年以上も前から経営の神様が言っている言葉が未だに浸透していないのか。

サイトを作るとき、クライアント、プロデューサー、営業さんと『イヤ、この企画意味わかんないッス。作ってる側がわかってないのにユーザーに伝わるワケが…』『金のためだ、黙って作レッ‼!』というやり取りを何度したことか。

クライアント側も製品やサービスを開発した人は、世のため人のために魂を込めているのでしょうが、その商品が広告(Webサイト含む)になるまでにいろんな壁が立ち塞がって消化不良を起こした経験が私にもあります。

 

このブログを書こうと思ったきっかけも、自分の文章力のアップを期待してというのもありますが、自分のインプットを世間にアウトプットして少しでも誰かの役に立てればみんな幸せ、と思って始めた次第です。

 

十人なり人をおいたならば苦労は少なくなってくる。みんなが代わってやってくれるのやから、自分は何もせんでええだろうと思うたらたいへんな間違いで、一人でも社員が多くなれば苦労が多くなるわけや。~(中略)~「承知した」と言うても、言うた以上はやろうと思ってやっても、腕が足らんでスカタンするという場合がある。その結果はみな店主の上にかかってくるわけや。(P76 社会通念という義務より引用)

こちらもIT界隈の人にとってはあるあるではないでしょうか。

『クライアントのデザイン確認に時間がかかっていて、制作期間がスケジュールより短くなっちゃうんだけど、人増やせばダイジョーブだよね?』みたいなことを何度言われたことか。

いや、人数の帳尻だけ合わせても…増やせるならプロジェクト立ち上げ時から入れてくれれば…

 

などなど、心に刺さる教えが掲載されています。

本文は約120P程度で文字量は少なめ、2時間もあれば読み終わってしまうかと思うので通勤時間の合間にもオススメです。

 

 備考

ちなみに、~知っておいてほしいことⅡというからにはⅠもあるのでしょうが残念ながらこちらは未読です。

しかも、楽天のサイトを見ると大好評「知っておいてほしいこと」シリーズ第4弾とあります。

数字が合わない気がするのですが、『知っておいてほしいこと/ZERO』とか『知っておいてほしいこと(北米版)』とかがあるんですかねぇ。。。

 

記念すべき1回目のレビューですが反省点が多い。

反省は別途まとめることとします。

 

//以上